やっぱり東京も捨てたもんじゃない！

遡ること5年前。働き始めて数年経った頃、仕事のステップアップのため上京してきました。

誰か頼れる人が居る訳でもなく、友人は数人住んで居るもののお互い忙しくなかなか会えない日々でした。

引っ越してきた当日、一人で片付け作業を終え、ひと段落したところでアパートのエントランスを掃除して居ると、向かいの一軒家から初老とみられる綺麗な女性が出てきました。

きっと家事の途中だったのでしょう、エプロンを着けた姿で、特に何ということのない格好でしたが、一目で上品さがわかる素敵な奥様でした。

目があったので、「こんにちわー」と挨拶すると「お掃除ですか？えらいわねぇ」とお返事が。

実は今日引っ越してきたと伝えると、お互いの出身地や私の仕事について雑談が始まりました。

思えば、東京にきて初めての人との会話。

私もふと緊張が解けていく気がして、すごく有り難かった記憶があります。

そして、10分ほど話した後、その女性はそうだそうだ、と呟いて家の中へ。

たくさん取れたからどうぞ、と、段ボールに入ったほうれん草とカボチャをおすそ分けしてくれました。

地方に住んでいてもなかなか無かったこんなにあったかい出会い。

初めて会ったご近所さんにこんなに優しくして頂いて、東京も素敵なところだなァとしみじみ感動しました。